鼻領域
副鼻腔炎とは
副鼻腔炎とは
副鼻腔の炎症を副鼻腔炎と呼びます。副鼻腔とは上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞の4つをさし、左右の鼻にそれぞれあります。急性副鼻腔炎はウイルス感染に続く細菌感染症です。慢性副鼻腔炎は細菌感染によるもの(化膿性副鼻腔炎)、アレルギーに関係するもの、近年増加傾向で治りにくい好酸球性副鼻腔炎、真菌(かび)による副鼻腔炎の副鼻腔真菌症、上顎歯牙からの感染(むし歯など)による歯性副鼻腔炎などがあります。感冒、鼻茸または鼻ポリープ、腫瘍(できもの)、異物、鼻中隔彎曲症(鼻の左右を仕切る壁の曲がり)、気圧の変化(飛行機など)なども関係します。
特徴について
特徴について
細菌感染(化膿性副鼻腔炎)による副鼻腔炎は減少傾向にあり、アレルギーに関係するものや好酸球性副鼻腔炎が増加しています。
慢性副鼻腔炎の有病率(全人口中)は約10%(アレルギー性鼻炎は2019年調査では約50%)です。
症状は膿粘性鼻汁(黄色や緑色の濁った鼻汁)、咽(のど)にまわる鼻汁、鼻づまり、ほほ・額の痛み、においの障害、鼻声などがあります。近年増加傾向にある、好酸球性副鼻腔炎はこの中でとくににおいの障害が多く、喘息が合併しやすいといわれています。
治療は副鼻腔の換気(空気が出入りできるようにする)と排液(鼻汁を外に出す)です。鼻処置(鼻掃除など)、ネブライザー療法や、抗菌剤などの薬による薬物療法、手術治療があります。
慢性副鼻腔炎の有病率(全人口中)は約10%(アレルギー性鼻炎は2019年調査では約50%)です。
症状は膿粘性鼻汁(黄色や緑色の濁った鼻汁)、咽(のど)にまわる鼻汁、鼻づまり、ほほ・額の痛み、においの障害、鼻声などがあります。近年増加傾向にある、好酸球性副鼻腔炎はこの中でとくににおいの障害が多く、喘息が合併しやすいといわれています。
治療は副鼻腔の換気(空気が出入りできるようにする)と排液(鼻汁を外に出す)です。鼻処置(鼻掃除など)、ネブライザー療法や、抗菌剤などの薬による薬物療法、手術治療があります。
検査について
検査について
鼻内をみる検査
鼻鏡や鼻内内視鏡(ファイバースコープ)で観察する。
鼻鏡や鼻内内視鏡(ファイバースコープ)で観察する。
細菌やアレルギーを調べる検査
原因の細菌やアレルギーの関与を調べる。
原因の細菌やアレルギーの関与を調べる。
画像検査
単純レントゲン検査、CT検査などで副鼻腔炎の部位や程度を調べます。
手術治療時には必須な検査です。
単純レントゲン検査、CT検査などで副鼻腔炎の部位や程度を調べます。
手術治療時には必須な検査です。
鼻腔通気度検査
鼻の通り易さを客観的に評価する検査です。
鼻の通り易さを客観的に評価する検査です。
アンケート検査
副鼻腔炎の症状のつらさを評価するための検査です。
副鼻腔炎の症状のつらさを評価するための検査です。
治療について
治療について
保存的治療(鼻掃除や薬など)と手術治療があります。ともに副鼻腔の換気と排液が目的です。
手術治療は内視鏡下鼻内手術(Endoscopic Sinus Surgery:ESSと呼ばれます)や、歯肉切開や鼻外切開(鼻周囲の皮膚を切開)による手術があります。
近年、鼻副鼻腔の機能を温存し低侵襲的なESSが手術治療の主流となっており、当科でもほとんどの手術がESSです。
手術治療は内視鏡下鼻内手術(Endoscopic Sinus Surgery:ESSと呼ばれます)や、歯肉切開や鼻外切開(鼻周囲の皮膚を切開)による手術があります。
近年、鼻副鼻腔の機能を温存し低侵襲的なESSが手術治療の主流となっており、当科でもほとんどの手術がESSです。
抗菌剤治療
細菌感染が盛んな状態の時には適切な殺菌力のある抗菌剤を使用します。
細菌感染が盛んな状態の時には適切な殺菌力のある抗菌剤を使用します。
マクロライド療法
抗菌剤のひとつであるマクロライド系抗菌剤による治療です。慢性副鼻腔炎に対し有用で、少量の長期投与を3~6ヶ月間投薬します。
アレルギーの関係するもの、大きな鼻茸(鼻ポリープ)、細菌感染が強い時などには効果は望めません。マクロライド療法の過信は禁物です。
抗菌剤のひとつであるマクロライド系抗菌剤による治療です。慢性副鼻腔炎に対し有用で、少量の長期投与を3~6ヶ月間投薬します。
アレルギーの関係するもの、大きな鼻茸(鼻ポリープ)、細菌感染が強い時などには効果は望めません。マクロライド療法の過信は禁物です。
手術治療
保存的治療で治らない病変のみを除去し、副鼻腔の正常化はかる内視鏡下鼻内手術(ESS)が主流です。低侵襲性手術であり短期入院手術が可能です。当科では両側の手術を同時に行っても5日間の入院です。退院直後より日常生活は可能です。一般に手術の副損傷(合併症)も報告されておりますが、当科では1000例以上のESSで問題となる副損傷はありません。また安全性を高めるために、ほとんどの手術でナビゲーションを使用しています。
保存的治療で治らない病変のみを除去し、副鼻腔の正常化はかる内視鏡下鼻内手術(ESS)が主流です。低侵襲性手術であり短期入院手術が可能です。当科では両側の手術を同時に行っても5日間の入院です。退院直後より日常生活は可能です。一般に手術の副損傷(合併症)も報告されておりますが、当科では1000例以上のESSで問題となる副損傷はありません。また安全性を高めるために、ほとんどの手術でナビゲーションを使用しています。
ステロイド治療と生物学的製剤
近年増加傾向である好酸球性副鼻腔炎は上記の様な治療を行っても病気が再発することが知られています。この疾患には体内のホルモンの一つであるステロイドが有効と言われています。しかし、ステロイドは長期に使用すると副作用の問題があり、近年では手術後に再発した好酸球性副鼻腔炎に対し、生物学的製剤という自分で注射を打つ治療が2020年から保険適応になりました。これらの治療についても当院では積極的に取り組んでいます。
近年増加傾向である好酸球性副鼻腔炎は上記の様な治療を行っても病気が再発することが知られています。この疾患には体内のホルモンの一つであるステロイドが有効と言われています。しかし、ステロイドは長期に使用すると副作用の問題があり、近年では手術後に再発した好酸球性副鼻腔炎に対し、生物学的製剤という自分で注射を打つ治療が2020年から保険適応になりました。これらの治療についても当院では積極的に取り組んでいます。
当科の特徴
当科の特徴
患者さまには手術治療の必要性を説明し、ご理解いただいた上で手術を行います。
低侵襲性手術であるESSを積極的に行います。
1000例を越すESSで、安全が確認されています。
手術後の治療も責任を持って行います。
1年間は定期的に当科へ通院いただきます。好酸球性副鼻腔炎などの疾患で手術後の再発がある場合はステロイド投与や生物学的製剤投与を検討していきます。
低侵襲性手術であるESSを積極的に行います。
1000例を越すESSで、安全が確認されています。
手術後の治療も責任を持って行います。
1年間は定期的に当科へ通院いただきます。好酸球性副鼻腔炎などの疾患で手術後の再発がある場合はステロイド投与や生物学的製剤投与を検討していきます。
鼻領域
副鼻腔炎とは
副鼻腔炎とは
副鼻腔の炎症を副鼻腔炎と呼びます。副鼻腔とは上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞の4つをさし、左右の鼻にそれぞれあります。急性副鼻腔炎はウイルス感染に続く細菌感染症です。慢性副鼻腔炎は細菌感染によるもの(化膿性副鼻腔炎)、アレルギーに関係するもの、近年増加傾向で治りにくい好酸球性副鼻腔炎、真菌(かび)による副鼻腔炎の副鼻腔真菌症、上顎歯牙からの感染(むし歯など)による歯性副鼻腔炎などがあります。感冒、鼻茸または鼻ポリープ、腫瘍(できもの)、異物、鼻中隔彎曲症(鼻の左右を仕切る壁の曲がり)、気圧の変化(飛行機など)なども関係します。
特徴について
特徴について
細菌感染(化膿性副鼻腔炎)による副鼻腔炎は減少傾向にあり、アレルギーに関係するものや好酸球性副鼻腔炎が増加しています。
慢性副鼻腔炎の有病率(全人口中)は約10%(アレルギー性鼻炎は2019年調査では約50%)です。
症状は膿粘性鼻汁(黄色や緑色の濁った鼻汁)、咽(のど)にまわる鼻汁、鼻づまり、ほほ・額の痛み、においの障害、鼻声などがあります。近年増加傾向にある、好酸球性副鼻腔炎はこの中でとくににおいの障害が多く、喘息が合併しやすいといわれています。
治療は副鼻腔の換気(空気が出入りできるようにする)と排液(鼻汁を外に出す)です。鼻処置(鼻掃除など)、ネブライザー療法や、抗菌剤などの薬による薬物療法、手術治療があります。
慢性副鼻腔炎の有病率(全人口中)は約10%(アレルギー性鼻炎は2019年調査では約50%)です。
症状は膿粘性鼻汁(黄色や緑色の濁った鼻汁)、咽(のど)にまわる鼻汁、鼻づまり、ほほ・額の痛み、においの障害、鼻声などがあります。近年増加傾向にある、好酸球性副鼻腔炎はこの中でとくににおいの障害が多く、喘息が合併しやすいといわれています。
治療は副鼻腔の換気(空気が出入りできるようにする)と排液(鼻汁を外に出す)です。鼻処置(鼻掃除など)、ネブライザー療法や、抗菌剤などの薬による薬物療法、手術治療があります。
検査について
検査について
鼻内をみる検査
鼻鏡や鼻内内視鏡(ファイバースコープ)で観察する。
鼻鏡や鼻内内視鏡(ファイバースコープ)で観察する。
細菌やアレルギーを調べる検査
原因の細菌やアレルギーの関与を調べる。
原因の細菌やアレルギーの関与を調べる。
画像検査
単純レントゲン検査、CT検査などで副鼻腔炎の部位や程度を調べます。
手術治療時には必須な検査です。
単純レントゲン検査、CT検査などで副鼻腔炎の部位や程度を調べます。
手術治療時には必須な検査です。
鼻腔通気度検査
鼻の通り易さを客観的に評価する検査です。
鼻の通り易さを客観的に評価する検査です。
アンケート検査
副鼻腔炎の症状のつらさを評価するための検査です。
副鼻腔炎の症状のつらさを評価するための検査です。
治療について
治療について
保存的治療(鼻掃除や薬など)と手術治療があります。ともに副鼻腔の換気と排液が目的です。
手術治療は内視鏡下鼻内手術(Endoscopic Sinus Surgery:ESSと呼ばれます)や、歯肉切開や鼻外切開(鼻周囲の皮膚を切開)による手術があります。
近年、鼻副鼻腔の機能を温存し低侵襲的なESSが手術治療の主流となっており、当科でもほとんどの手術がESSです。
手術治療は内視鏡下鼻内手術(Endoscopic Sinus Surgery:ESSと呼ばれます)や、歯肉切開や鼻外切開(鼻周囲の皮膚を切開)による手術があります。
近年、鼻副鼻腔の機能を温存し低侵襲的なESSが手術治療の主流となっており、当科でもほとんどの手術がESSです。
抗菌剤治療
細菌感染が盛んな状態の時には適切な殺菌力のある抗菌剤を使用します。
細菌感染が盛んな状態の時には適切な殺菌力のある抗菌剤を使用します。
マクロライド療法
抗菌剤のひとつであるマクロライド系抗菌剤による治療です。慢性副鼻腔炎に対し有用で、少量の長期投与を3~6ヶ月間投薬します。
アレルギーの関係するもの、大きな鼻茸(鼻ポリープ)、細菌感染が強い時などには効果は望めません。マクロライド療法の過信は禁物です。
抗菌剤のひとつであるマクロライド系抗菌剤による治療です。慢性副鼻腔炎に対し有用で、少量の長期投与を3~6ヶ月間投薬します。
アレルギーの関係するもの、大きな鼻茸(鼻ポリープ)、細菌感染が強い時などには効果は望めません。マクロライド療法の過信は禁物です。
手術治療
保存的治療で治らない病変のみを除去し、副鼻腔の正常化はかる内視鏡下鼻内手術(ESS)が主流です。低侵襲性手術であり短期入院手術が可能です。当科では両側の手術を同時に行っても5日間の入院です。退院直後より日常生活は可能です。一般に手術の副損傷(合併症)も報告されておりますが、当科では1000例以上のESSで問題となる副損傷はありません。また安全性を高めるために、ほとんどの手術でナビゲーションを使用しています。
保存的治療で治らない病変のみを除去し、副鼻腔の正常化はかる内視鏡下鼻内手術(ESS)が主流です。低侵襲性手術であり短期入院手術が可能です。当科では両側の手術を同時に行っても5日間の入院です。退院直後より日常生活は可能です。一般に手術の副損傷(合併症)も報告されておりますが、当科では1000例以上のESSで問題となる副損傷はありません。また安全性を高めるために、ほとんどの手術でナビゲーションを使用しています。
ステロイド治療と生物学的製剤
近年増加傾向である好酸球性副鼻腔炎は上記の様な治療を行っても病気が再発することが知られています。この疾患には体内のホルモンの一つであるステロイドが有効と言われています。しかし、ステロイドは長期に使用すると副作用の問題があり、近年では手術後に再発した好酸球性副鼻腔炎に対し、生物学的製剤という自分で注射を打つ治療が2020年から保険適応になりました。これらの治療についても当院では積極的に取り組んでいます。
近年増加傾向である好酸球性副鼻腔炎は上記の様な治療を行っても病気が再発することが知られています。この疾患には体内のホルモンの一つであるステロイドが有効と言われています。しかし、ステロイドは長期に使用すると副作用の問題があり、近年では手術後に再発した好酸球性副鼻腔炎に対し、生物学的製剤という自分で注射を打つ治療が2020年から保険適応になりました。これらの治療についても当院では積極的に取り組んでいます。
当科の特徴
当科の特徴
患者さまには手術治療の必要性を説明し、ご理解いただいた上で手術を行います。
低侵襲性手術であるESSを積極的に行います。
1000例を越すESSで、安全が確認されています。
手術後の治療も責任を持って行います。
1年間は定期的に当科へ通院いただきます。好酸球性副鼻腔炎などの疾患で手術後の再発がある場合はステロイド投与や生物学的製剤投与を検討していきます。
低侵襲性手術であるESSを積極的に行います。
1000例を越すESSで、安全が確認されています。
手術後の治療も責任を持って行います。
1年間は定期的に当科へ通院いただきます。好酸球性副鼻腔炎などの疾患で手術後の再発がある場合はステロイド投与や生物学的製剤投与を検討していきます。